spec-kit(github/spec-kit)は、GitHubが公開しているオープンソースのツールキットで、仕様書・実装計画・タスク一覧といった成果物を段階的に作成させながら、Claude CodeなどのAIコーディングエージェントに実装まで進めさせる「仕様駆動開発(Spec-Driven Development)」の手順をコマンド化したものだ。最初のコミットから1年を経た2026年8月21日にバージョン1.0.0がリリースされ、READMEによると開発は現在も続いている。対応するAIコーディングエージェントはClaude CodeやGitHub Copilot、Gemini CLIなど30種類以上にのぼる。個人でシステム開発を請け負っている読者であれば、AIにまとまった単位の機能実装を任せる際、要件の詰めと実装内容のずれを抑える目的で使う場面がありそうだ。

何ができるか
READMEによると、spec-kitには次のような機能がある。
- プロジェクトの原則を定める/speckit.constitutionから始まり、/speckit.specify(仕様定義)→/speckit.plan(実装計画)→/speckit.tasks(タスク分解)→/speckit.implement(実装)という一連のスラッシュコマンドを、コーディングエージェント上に追加する
- 仕様・計画・タスクの整合性を確認する/speckit.analyzeや、仕様の曖昧な部分を洗い出す/speckit.clarify、実装後にコードベースを仕様と突き合わせて残タスクを追加する/speckit.convergeなど、補助的なコマンドも用意されている
- バグ修正を「調査→修正→検証」の手順で進める拡張や、アイデアを「取り込み→調査→定義→検討→判断」の手順で評価する拡張が、オプトインの追加機能として用意されている
- extensions(新機能の追加)とpresets(既存コマンドのカスタマイズ)という2つの仕組みで、テンプレートや手順を組織向けに調整できる
- /speckit.taskstoissuesコマンドで、生成したタスクをGitHub Issueに変換できる
導入方法
導入にはPython 3.11以上と、パッケージ管理用のuv(またはpipx)、Gitが前提条件になる。READMEにはLinux・macOSのほか、Windowsの場合もPowerShellスクリプトで対応すると記載がある。まずCLIツールspecify-cliをインストールする。GitHubのリリースタグを指定する方法と、PyPIから入れる方法の2通りが案内されている。
# GitHubのリリースタグを指定してインストール(vX.Y.Zは最新リリースタグに置き換える)
uv tool install specify-cli --from git+https://github.com/github/spec-kit.git@vX.Y.Z
# もしくはPyPIから直接インストール
uv tool install specify-cli
次に、プロジェクトを初期化する。–integrationオプションで使用するエージェントを指定できる。Claude Codeの場合は次の通り。
specify init my-project --integration claude
cd my-project
初期化が完了すると、Claude Code側に/speckit.constitutionや/speckit.specifyといったスラッシュコマンドが追加される。READMEに沿って進める場合、まずプロジェクトの原則を/speckit.constitutionで定義し、/speckit.specifyで作りたいものを説明し、/speckit.planで技術スタックを指定し、/speckit.tasksでタスクに分解したうえで、/speckit.implementで実装させる、という順序になる。
/speckit.constitution コード品質・テスト方針・パフォーマンス要件などの原則を定義して
/speckit.specify 作りたいもの(何を・なぜ)を記述
/speckit.plan 技術スタックとアーキテクチャを指定
/speckit.tasks
/speckit.implement
正しくインストールできているかは、specify versionコマンドで確認できる。あわせてspecify self checkを実行すると、新しいリリースが出ているかどうかを(インストール内容を変更せずに)確認できる。
注意点
- 動作にはPython 3.11以上、uv(またはpipx)、Gitが前提条件になる。エージェント側の認証は別途済ませておく必要がある(Claude Codeであれば通常の認証設定のままでよい)。
- specify-cliはGitHub経由とPyPI経由の2つの配布チャネルがある。READMEには、specify versionだけではどちらの経路で入れたバイナリかまでは判別できない、と明記されている。
- extensionsやpresetsにはコミュニティが個別に作成・公開しているものも含まれる。READMEでも「コミュニティの貢献はそれぞれの作者が独立して作成・保守しており、導入前にソースコードを確認し、自己責任で利用すること」という注意書きがある。
- spec-kit自体が外部サービスへ直接通信するという記載はREADME内に見当たらない。生成された/speckit.*コマンドを実行し、実際にコードを書くのはClaude Code本体であり、その際のAnthropic APIとの通信は通常のClaude Code利用と変わらない。
- ライセンスはMIT。
今後実際に使ってみて、使い勝手を別記事で報告する予定だ。
written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)


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