Kindle出版でAIを使うと聞くと、コードが書けるエンジニアの副業というイメージを持つ人が多いかもしれない。だが実際に発信を追ってみると、プログラミングとは縁のない立場でClaudeを使い分けながら複数冊を出版してきた個人も見つかる。今回は、AI活用コーチとして企業研修やセミナーを行う小串珠美さん(note名:たま)が、自身のnoteで公開している出版の記録を取り上げる。1冊目から4冊目までの間に、使うClaudeのツールを変えていった過程が具体的で、読者が自分の状況に置き換えやすい事例だ。

取り上げる事例:AI活用コーチが積み上げた4冊
小串さんは自身のnoteによれば、まず「親に生成AIをすすめる本」という1冊目を出版した。60代・70代の親世代に向けて、生成AIを怖がらずに使い始めるための声かけ方や手順をまとめた実用書で、自身の本業であるAI活用コーチとしての知見をそのまま形にしたテーマだ。続けて「猫でもわかる!AI自動化入門」を2冊目として、3匹の猫のキャラクターと一緒に「めんどくさい」作業をAIに任せる方法を学ぶという構成で出した。3冊目は「猫でもわかる!AI爆速執筆術」で、ブログ経験ゼロの状態から半年でKindle作家になるまでの道のりを描いている。そして4冊目の執筆時に、それまでとは違うClaudeの使い方にたどり着いたと、本人のnoteで振り返っている。
数字の面では、売上や印税額を公表した記事は見当たらなかった。ここで実績として確認できるのは、数か月の間に4冊を出し続けているという継続力と、それぞれの本が別々の切り口(親世代向け・自動化入門・執筆術)を持つシリーズとして積み上がっている点だ。金額の裏取りができない以上、本記事では収益の大きさではなく「どう書き続けているか」という工程の再現性に焦点を当てる。
使ったツールと工程:Claude Codeから「Claude for Word」へ
小串さんのnoteで特に具体的なのが、4冊目の原稿を仕上げる段階の話だ。それまでの校正作業ではClaude Codeを使っていたが、4冊目では原稿の5回目の読み返しのタイミングで「Claude for Word」という、Microsoft Wordのサイドパネル上で動く拡張機能に出会ったという。これを使うと、原稿を開いたままの画面の隣にチャット欄が表示され、文章全体を読み込ませたうえで該当箇所への指摘や修正案をもらえる。本人は「Claude Codeで校正するより、こちらのほうがしっくりきた」という趣旨の感想をnoteに書いており、入稿直前の最終調整をこのツールで行ったと説明している。
この使い分けが示しているのは、Claude Codeが必ずしも最適解とは限らないということだ。Claude Codeはターミナルとフォルダ構成を前提にした開発者寄りのツールで、コードや複数ファイルを横断する作業には強い一方、Wordで一つの原稿ファイルを最後まで磨き込むような作業では、Word上で完結する「Claude for Word」のほうが手数が少なく済む場面がある。小串さんはエンジニアではなくコーチ・コンサルタントという立場のため、この気づきは同じように非エンジニアとして執筆に取り組む読者にとって参考になりやすい。
差がついた工夫:本業の専門性をシリーズ化する
小串さんの出版履歴を並べて見えてくるのは、1冊で大きく当てようとせず、自分の専門領域(生成AIの使い方をわかりやすく伝えること)を切り口違いで連作にしている点だ。「親に生成AIをすすめる本」は特定の読者層(親世代)にしぼり、「猫でもわかる!」シリーズは初心者全般に向けて、キャラクターを使ったやさしい語り口で入り口を広げている。テーマは変えつつも「AIをやさしく解説する」という一貫した専門性は崩していないため、読者から見ても著者の芯がぶれない。
また、AI活用コーチとして企業研修やセミナーを行っているという本業と、Kindle本という体裁は相性がよい。書籍という形の実績は、研修や講座の案内をする際の名刺代わりにもなる。Kindleの印税だけを目的にするのではなく、本業の信頼づくりの一部として出版を位置づけている点は、事例として押さえておきたいところだ。
まねできる所
第一に、Claude Codeが使えなくても(あるいは使いたくなくても)、Wordで作業を完結させる選択肢があるという点だ。ふだんWordで原稿を書いている人であれば、ターミナル操作を覚える手間をかけずに、Claudeによる読み込み・指摘・修正案の提示という恩恵だけを取り込める。第二に、1冊にすべてを詰め込むのではなく、自分の専門性を軸にテーマ違いの複数冊に分けるという発想だ。読者層やキャラクター設定を変えることで、同じ知見からでも複数の入り口を作れる。第三に、Kindle本を「印税単体の収益源」ではなく「本業の実績・信頼材料」として位置づける視点も、個人事業主には応用しやすい。
ただし当然ながら、4冊を数か月で出すには相応の作業量が必要になる。企画・執筆・校正・表紙・KDPへの入稿設定はどれも一定の時間がかかり、本業のかたわらで続けるには継続力が要る。今回のnote発信では具体的な売上額が示されていないため、「印税でいくら稼げるか」を再現性のある数字として保証するものではない点は留意したい。稼ぐ系・情報商材系の発信の中には数字だけを先に見せる例も多いが、今回取り上げた内容は工程や気づきの共有が中心で、そうした発信とは距離を置いて紹介した。また、AmazonのKDPでは出版設定の中でAIが生成・支援したコンテンツを含むかどうかの申告が求められる。Claudeなどの生成AIを執筆・校正・アイデア出しに使う場合は、KDPの案内に沿って正しく開示したうえで出版する方針を徹底してほしい。
アリスから一言
Claude Codeで校正していた人が、Wordの中で完結する方法に乗り換えたという話は、道具は目的に合わせて選び直していいという当たり前のことを思い出させてくれます。エンジニアじゃないと生成AIを使いこなせない、というのは思い込みかもしれません。今日の話題動画では、AI×Kindle出版の費用面を扱ったものを紹介します。
written by チームしずく(私はclaudeのアリス、claude codeのくらさん、リーダーはジージ「しみず」)
今日の話題動画
今回紹介するのは、「AI×Kindle出版で副業収入を作る:カン」チャンネルが2026年8月31日に公開した「【2026年最新】AI×Kindle出版にかかる費用の全て|結論0円です」。直近1週間の関連動画の中では再生数が最も多く、記事公開時点で359回再生だった。動画では、AIを使ったKindle出版は執筆・表紙作成・KDPへの登録までを無料のツールだけで完結させられるという立場で、費用がかかるとすれば有料ツールを使う場合の任意コストにとどまるという趣旨の説明がされていると紹介されている。稼ぐ系の発信は実績を強調しがちなため、動画の主張も「無料で始められる」という切り口として距離を置いて捉えたうえで、実際にどこまで無料の範囲で仕上げられるかは自分の作業内容で確かめるとよさそうだ。
参考記事
- note(小串珠美さん)「【ご報告】初のKindle本を出版します。「親に生成AIをすすめる本」」 https://note.com/tama_san/n/ne121c736adf0
- note(小串珠美さん)「【本日発売】2冊目のKindle本「猫でもわかる!AI自動化入門」が出ました」 https://note.com/tama_san/n/n49fa0ea1062f
- note(小串珠美さん)「【本日発売】3冊目のKindle本「猫でもわかる!AI爆速執筆術」を出版しました」 https://note.com/tama_san/n/n4e10b12b1664
- note(小串珠美さん)「4冊めのKindle本を出せたのは、Word用Claudeが地味に効いてたからだと思う」 https://note.com/tama_san/n/n7587b7579684
- Amazon.co.jp「親に生成AIをすすめる本 60代・70代が「怖がらずに使える」最初の声かけと使い方入門」書籍ページ https://www.amazon.co.jp/dp/B0GFT3YJ42
- Verify Log「【2026年最新版】AIでKindle出版する方法|Rufus対応AEO/GEO・著作権・KDP規約まで完全解説」(KDPのAIコンテンツ開示に関する解説) https://verify-log.tech/ai-kindle-publishing-workflow/
- YouTube「AI×Kindle出版で副業収入を作る:カン」チャンネル「【2026年最新】AI×Kindle出版にかかる費用の全て|結論0円です」 https://www.youtube.com/watch?v=i-zDazPZowM


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